【本音レビュー】Logicool MX Master 3S|仕事用マウスの決定版?半年使って分かったこと

PC周辺機器

★★★★☆ 4.5/5.0

デスクワーカーなら一度は試してほしい

MX Master 3Sは、いわゆる「仕事用マウスの定番」として評価の高い製品だ。半年間、毎日8時間以上の業務で使い続けた結論としては、その評判は伊達ではない。特に静音クリックと高速スクロールの組み合わせは、一度体験すると普通のマウスに戻れなくなる。

静音クリック:想像以上に静か

前モデルMX Master 3との最大の違いが静音化。実際にクリックしてみると、「カチッ」という音がほとんどしない。押した感触はしっかりあるのに、音だけが消えている不思議な感覚だ。

これが特にありがたいのがオンライン会議中。マイクがクリック音を拾わないので、相手に不快感を与えずに操作できる。オフィスで隣の人のクリック音が気になった経験がある人なら、この静音性の価値が分かるはずだ。

カフェでの作業時も周囲の目を気にしなくて良い。地味な進化に見えるが、日常的に恩恵を受ける場面は多い。

MagSpeedスクロール:これが本体

個人的に、このマウス最大の魅力はMagSpeed電磁気スクロールホイール。通常のスクロールでは1行ずつ精密に送れるが、勢いよく回すとフリースピンモードに自動で切り替わり、長いWebページやExcelシートを一瞬でスクロールできる。

この切り替えが電磁気制御のおかげで非常にスムーズ。機械式のような「カチッ」とモードが変わる感覚ではなく、自然にスーッと切り替わる。1日に何百回もスクロールするデスクワークでは、この快適さの差は大きい。

特にExcelで大量のデータを扱う人、長い契約書PDFを読む人、コーディングで長いファイルを行き来する人には、生産性が体感できるレベルで変わるはずだ。

マルチデバイス切り替え:Flow機能の実力

MX Master 3Sは最大3台のデバイスを登録でき、底面のボタンで瞬時に切り替えられる。自分の場合は「仕事用PC」「私用MacBook」「iPad」を登録している。

さらにFlow機能を使えば、画面の端にカーソルを持っていくだけで別のPCに切り替わる。デュアルモニター感覚で2台のPCを行き来でき、ファイルのドラッグ&ドロップまでできる。

Windows同士、Mac同士はもちろん、WindowsとMacの混在環境でも動作する。仕事用がWindows、私用がMacという人は多いと思うが、まさにそういう環境に最適だ。

エルゴノミクス:手の疲れが減った

傾斜57度のデザインは、手を自然な角度に保ってくれる。以前使っていたフラットなマウスでは夕方になると手首にだるさを感じていたが、MX Master 3Sに変えてからはその症状がかなり軽減された。

手の大きさとの相性はあるが、男性の標準的な手のサイズであればフィットすると思う。女性や手が小さめの人には少し大きく感じるかもしれない。その場合はMX Anywhere 3Sという小型モデルも選択肢に入る。

バッテリー:充電を忘れるレベル

公称70日のバッテリー持ちは、実使用でもほぼその通り。毎日8時間使って約2ヶ月に1回の充電で済んでいる。

しかもUSB-C充電で、1分の充電で3時間使えるクイックチャージに対応。朝出社して「充電切れてた」と気づいても、コーヒーを入れている間に復活する。バッテリーのストレスはゼロと言っていい。

YouTubeレビュアーの評価

Tom’s HardwareのAvram Piltchは4.5点/5点で「King of Wireless Productivity(ワイヤレス生産性の王者)」と評価。磁気スクロールホイールの自動モード切替とカスタマイズ性の高さを称賛した。ただしデバイス切替ボタンが底面にあり操作しにくい点を指摘している。

MacworldのJason Crossも4.5点を付け、4K/5Kディスプレイでの8,000DPIセンサーの恩恵と、Flow機能によるMac-Windows間のシームレス操作を高評価。macOSユーザーにとって「最良のオールラウンドマウス」と結論づけた。

BinaryForkのレビューでは、他のレビュアーが見落としがちなポイントが複数指摘されている。メインボタンは静音だがサムボタンは「カチッ」と音がする静音性の不一致、ラバーコーティングが数日で汚れ・垢が蓄積し始める耐久性問題、そしてLogi Options+が常時起動必要でオンボードメモリがないため制限された業務PCでは使えないという実務上の懸念だ。

日本のmisclogでは「Zoom会議中の内職に最適な静音性」という切り口で紹介されており、「誰かへの配慮ができるようになった最強マウス」というフレーズが印象的。リモートワーク時代ならではの実用的な評価だ。

気になった点

141gという重量は、据え置きで使う分には安定感があって良いが、毎日カバンに入れて持ち歩くには重い。モバイル用途がメインなら、97gのMX Anywhere 3Sの方が向いている。

価格も約15,000円と、マウスとしては高い部類に入る。ただし毎日使うツールとして考えると、2年使えば1日あたり約20円。高コスパとまでは言わないが、生産性の向上を考えれば妥当な投資だと思う。

こんな人におすすめ

  • 1日6時間以上PCで作業するデスクワーカー
  • 複数のPC・デバイスを使い分けている人
  • Excelやドキュメント作業が多い人
  • オフィスやカフェで静かに作業したい人

ゲーミングマウスを求めている人には向かない。あくまで仕事の生産性を上げるための道具だ。

まとめ

MX Master 3Sは「仕事用マウスの最適解」と呼べる完成度。静音クリック、高速スクロール、マルチデバイス対応、エルゴノミクスデザインと、デスクワーカーが求める機能が全部入りになっている。

特別なことをしてくれるマウスではないが、毎日の作業の小さなストレスを着実に減らしてくれる。使い始めると「なぜもっと早く買わなかったのか」と思わせる、そういうタイプの製品だ。

スペック

メーカー Logicool(Logitech)
型番 MX Master 3S
センサー Darkfieldセンサー(8,000 DPI)
接続 Bluetooth / Logi Bolt USBレシーバー
バッテリー 最大70日(フル充電)
充電 USB Type-C(1分の充電で3時間使用可能)
重量 141g
対応OS Windows / macOS / iPadOS / ChromeOS / Linux
ボタン数 7ボタン
価格帯 約14,000〜16,000円

良かった点

  • 静音クリックが非常に静かで、オフィスやカフェでも周囲を気にせず使える
  • MagSpeed電磁気スクロールが快適で、長いドキュメントやWebページを一瞬で移動できる
  • 最大3台のデバイスをボタン一つで切り替えられるFlow機能が便利
  • エルゴノミクスデザインで長時間使用でも手が疲れにくい

気になった点

  • 重量141gはモバイル用途としてはやや重い
  • 価格が約15,000円と一般的なマウスと比べて高額

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