Logicool MX Master 4|触覚フィードバック搭載の最新フラッグシップマウス、買い替える価値はあるのか

PC周辺機器

6年ぶりのフルモデルチェンジ、その中身は

MX Masterシリーズといえば、デスクワーカー向けマウスの代名詞だ。MX Master 4は2025年10月に登場した最新モデルで、実に6年ぶりのフルモデルチェンジとなる。目玉は「触覚フィードバック」と「Actions Ring」という2つの新機能。しかし価格はシリーズ初の2万円超え。果たして、その進化は価格に見合うのか。

当サイトではMX Master 3Sのレビューも掲載しているので、比較しながら読んでもらえると分かりやすいはずだ。

触覚フィードバック:マウスが「振動」で教えてくれる

MX Master 4最大の目玉が、親指部分に搭載されたハプティクス(触覚フィードバック)だ。スクロールホイールを回した時のクリック感、画面端に到達した通知、スライダーの上下限への到達など、様々な操作を微細な振動で手に伝えてくれる。

Photoshopでオブジェクトをぴったり配置した時や、Excelでシートの端に到達した時に「コツッ」と振動が来るのは、想像以上に便利だ。画面を見なくても操作の結果が分かる場面が増える。

ただし、この機能が「必須」かと言われると微妙なラインだ。あれば便利だが、なくても困らない。3Sユーザーがこの機能だけのために買い替える理由にはならないだろう。

Actions Ring:親指で呼び出すランチャー

前モデルのサイドスクロールホイールに代わって搭載されたのが、タッチセンシティブな「Actions Ring」。親指でサムホイールを押し込むと画面上に円形メニューが表示され、最大8つのカスタマイズ可能なショートカットにアクセスできる。

アプリごとに異なるショートカットを設定できるので、ブラウザでは「タブ切り替え」、Photoshopでは「ブラシサイズ変更」といった使い分けが可能だ。Logicoolによれば、Actions Ringの活用で最大33%の時間短縮が見込めるとのこと。

ただし、このActions Ringボタンの配置には注意が必要だ。マウスを持ち上げる際に親指に力が入り、意図せずボタンを押してしまうことがある。設定でボタンの押下感度を調整すれば軽減できるが、慣れるまでは少しストレスを感じるかもしれない。実際にこの誤操作と持ち上げにくさを「致命的」と感じ、手放したという報告もある。便利な機能ではあるが、使い方との相性が出やすいポイントだ。

素材変更:ベタつき問題にようやく決着

MX Masterシリーズのユーザーなら誰もが経験する「ゴムのベタつき問題」。数年使うと表面のラバーコーティングが加水分解してベトベトになるアレだ。

MX Master 4では、表面素材が微細テクスチャ加工のハードレジンとシリコンに変更された。カーボンフィニッシュの天面は指紋や皮脂が目立ちにくく、長期使用でもベタつきが発生しにくい設計になっている。この素材変更こそ、今回最大の実用的な改善と言えるだろう。長年のユーザーにとっても、ベタつき対策としての素材変更は最も実用的な改善点だという評価が多い。

MX Master 3Sとの違い

基本性能は実は3Sとほぼ同じだ。センサー(8,000 DPI)、バッテリー持ち(最大70日)、マルチデバイス対応(最大3台)といった核となるスペックは変わっていない。

主な違いをまとめると以下の通り:

  • 触覚フィードバック機能の追加(4のみ)
  • サイドスクロールホイールがActions Ringに変更
  • 表面素材がラバーからハードレジン+シリコンに変更
  • Logi BoltレシーバーがUSB-A→USB-Cに変更
  • ボタン数が7→8に増加
  • 重量が141g→150gに増加(+9g)
  • 価格が約15,000円→約22,000円に上昇

3Sを持っている人が今すぐ買い替える必要はない。3S自体が完成度の高い製品であり、4はその正常進化版だ。ただし3Sのゴムがベタついてきた人や、初めてMX Masterを買う人にとっては、4を選ぶメリットは十分にある。

エルゴノミクス:握り心地は好み次第

形状は3Sからの大きな変更はなく、傾斜角のあるエルゴノミクスデザインを継承している。かぶせ持ち(パームグリップ)で使う分には、手の大きい人ほどフィット感が良い。

ただし150gという重量は、つまみ持ち(ピンチグリップ)派には厳しい。マウスを頻繁に持ち上げる操作スタイルの人は、使い始めに違和感を覚えるかもしれない。実際に手の大きさやグリップスタイルとの相性が合わず、1週間ほどで使用を諦めたという声もある。据え置きで使うデスクワーカーには問題ないが、用途によっては軽量なMX Anywhere 4の方が合う場合もある。

バッテリーと接続性

バッテリー持ちは3Sと同じ最大70日で、日常使いで約2ヶ月に1回の充電ペース。USB-C充電に対応し、3分の急速充電で約1日分の電力を確保できる。

接続面で注目すべきは、同梱のLogi BoltレシーバーがUSB-Cになったこと。最近のMacBookやUSB-C搭載ノートPCでは変換アダプタなしで直接挿せるので、これは地味に大きな改善だ。Bluetooth 5.1にも対応しており、最大3台のデバイス切り替えとFlow機能も健在。

気になった点

最大の懸念は価格だ。21,890円はマウスとしてはかなりの出費。3Sが約15,000円で買えることを考えると、差額の約7,000円に触覚フィードバックとActions Ring、素材変更が見合うかは人による。

重量150gも据え置き前提なら問題ないが、持ち運びにはさらに不向きになった。逆に言えば、デスクに据え置いて日常の生産性ツールとして使うなら、プレミアムな造りとカスタマイズ性の高さは間違いなくトップクラスだ。また、Logi Options+アプリが常時起動必要で、オンボードメモリ非搭載のため、会社のセキュリティポリシーでソフトのインストールが制限されている環境では機能をフル活用できない点も3Sから変わっていない。

こんな人におすすめ

  • 初めてMX Masterシリーズを購入する人
  • 旧モデルのゴムのベタつきに悩んでいた人
  • USB-Cレシーバーが必要な最新ノートPCユーザー
  • Actions Ringのカスタマイズに魅力を感じるクリエイター

逆に、MX Master 3Sを快適に使えている人は、無理に買い替える必要はない。

まとめ

MX Master 4は、6年ぶりのフルモデルチェンジにふさわしい進化を遂げている。触覚フィードバックとActions Ringは確かに新しい体験だし、素材変更による耐久性の向上は長年のユーザーの声に応えた改善だ。

しかし2万円超えの価格と、Actions Ringの誤操作問題、9g増の重量など、手放しで全員に勧められるわけではない。「最高のマウス」ではあるが「万人向けの最高」ではない、という印象だ。初めてMX Masterを検討するなら良いタイミングではあるが、触覚フィードバックの搭載でマウスとしてのレベルが一段上がった今だからこそ、購入前に手の大きさやグリップスタイルとの相性を確認することを強くおすすめする。

スペック

メーカー Logicool(Logitech)
型番 MX Master 4(MX2400)
センサー Darkfieldセンサー(8,000 DPI)
接続 Bluetooth 5.1 / Logi Bolt USB-Cレシーバー(2.4GHz)
バッテリー 最大70日(フル充電)
充電 USB Type-C(3分の充電で約1日使用可能)
重量 150g
サイズ 88.2×128.2×50.8mm
対応OS Windows / macOS / iPadOS / ChromeOS / Linux
ボタン数 8ボタン
新機能 触覚フィードバック / Actions Ring
発売日 2025年10月30日
価格帯 約21,000〜22,000円

良かった点

  • 触覚フィードバックにより操作の手応えが直感的に伝わる新体験
  • 素材がハードレジン+シリコンに変更され、旧モデルのゴムのベタつき問題が解消
  • Actions Ringで最大8つのショートカットをサムホイールから即座に呼び出せる
  • Logi Bolt USB-Cレシーバー同梱で、最新ノートPCでも変換アダプタ不要

気になった点

  • 重量150gと前モデルより9g増加、持ち運びにはさらに不向きに
  • 価格が約21,890円とシリーズ初の2万円超え
  • サイドのActions Ringボタンを意図せず押してしまうことがある
  • 右利き専用デザインで左利きユーザーには選択肢がない

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