【本音レビュー】Sony WH-1000XM5|ノイキャン最強は本当か?使って分かったリアルな実力

イヤホン・ヘッドホン

★★★★☆ 4.5/5.0

結論から言うと「普段使いの最適解」

Sony WH-1000XM5は、派手さよりも日常での使いやすさを徹底的に磨いたヘッドホンだと感じた。ノイキャンの効き、装着感、接続の安定性など、毎日使う上で不満が出にくい完成度の高さがある。

一方で「前モデルから劇的に変わったか?」と聞かれると、正直なところ進化は堅実。XM4ユーザーが急いで買い替える必要があるかは微妙なところだ。

ノイズキャンセリング:電車の中が図書館になる

最も印象的だったのはノイキャンの性能。8つのマイクを使った自動最適化が効いているのか、電車に乗った瞬間にスッと騒音が消える感覚がある。

カフェでの作業中も、隣の会話がほとんど気にならないレベルまで遮断してくれる。風切り音への対策も改善されていて、以前のモデルで気になっていた屋外でのボコボコ音がかなり軽減された。

ただし、完全な無音になるわけではない。特に人の声の高い周波数帯は多少漏れてくる。それでも競合製品と比較すると、トップクラスの遮音性能なのは間違いない。

音質:バランス重視で万人向け

音の傾向はフラット寄りで、どんなジャンルでも破綻しにくいチューニング。ボーカルの輪郭がくっきりしていて、ポップスやJ-POPとの相性が特に良い。

LDAC接続時のハイレゾ再生では、楽器の分離感がさらに向上する。ピアノの残響やアコースティックギターの弦のニュアンスなど、細かい表現が聴き取れるのは楽しい。

一方で、EDMやヒップホップなど低音のパンチを求める人には少し物足りないかもしれない。アプリのイコライザーでBassを持ち上げれば改善するが、デフォルトの低音は上品にまとまっている印象だ。

装着感:250gの軽さは正義

前モデルXM4から約4g軽くなった250gという重量は、数字以上に体感差がある。ヘッドバンドの側圧も適度で、2〜3時間の連続使用でも耳や頭頂部に痛みを感じなかった。

イヤーパッドはソフトレザー素材で肌触りが良い。ただし夏場は蒸れる可能性がある。これはオーバーイヤー型の宿命なので、気になる人はイヤホンタイプのWF-1000XM5を検討しても良いだろう。

マルチポイント接続が地味に神

個人的に最も重宝しているのがマルチポイント接続。PCで作業中にスマホに着信が入ると、自動的にスマホ側に切り替わる。会議が終わればまたPCの音声に戻る。この切り替えがスムーズで、いちいちBluetooth設定を開く必要がない。

リモートワーク中心の生活では、この機能だけでも選ぶ価値があると思う。

YouTubeレビュアーの評価

登録者数1,900万人超のMKBHD(Marques Brownlee)は「Two Steps Forward, One Step Back」というタイトルでレビュー。ノイキャンは「依然としてヘッドホン界の王者」と評価しつつ、「XM4はXM5の90%の性能」と表現し、前モデルからの買い替えの必要性に疑問を投げかけた。

SoundGuysは総合8.6点を付け、8基のマイクアレイによるANC性能を高評価。ただしデフォルトの音質は「低音ブースト+高域強調で中域が凹んでおり、弦楽器や管楽器がEQなしでは曇る」と指摘。正しい装着がANC性能に決定的に重要であることも強調している。

HeadphonesAddictのPeter Susicは、EQ調整後の音質を絶賛する一方で「有線接続時の音質が劣悪」という他のレビューにない重要な指摘をしている。Bluetooth接続前提で設計されているため、有線モードは避けた方がいいとのことだ。

日本のSUUTA Magazineでは2年間の長期使用レビューが公開されており、バッテリー劣化を感じない耐久性と「良い音で聴きたい時はこれを選ぶ」という信頼感を報告。一方でPC向けアプリがないこと、夏場の蒸れ、髪にヘッドバンドの跡がつく点を不満として挙げている。

なお、eBayやRedditではヒンジ部分の破損報告が複数あり、持ち運び時の扱いには注意が必要だ。

気になった点:折りたたみ非対応

最大の不満は折りたたみ構造が廃止されたこと。XM4では平たく折りたためたが、XM5はフラットにはなるものの、コンパクトにはならない。付属のケースも大きく、カバンの中でかなり場所を取る。

外出先に毎日持ち歩く人にとっては、これは地味にストレスになるポイントだ。

こんな人におすすめ

  • リモートワークでWeb会議が多い人
  • カフェや電車など騒がしい環境で集中したい人
  • 音質と快適性のバランスを重視する人
  • Apple製品以外のスマホ・PCをメインで使う人

逆に、AirPods Max対抗のファッション性を求める人や、重低音ゴリゴリの音楽体験を求める人には、別の選択肢を検討した方が良いかもしれない。

まとめ

WH-1000XM5は「毎日使うヘッドホン」としての完成度が非常に高い。ノイキャン、音質、装着感、接続性のすべてが高水準にまとまっていて、大きな弱点がない。

価格は約5万円とヘッドホンとしては高額だが、リモートワークの生産性向上や通勤時間の質を考えると、十分にリターンのある投資だと感じている。

スペック

メーカー Sony
型番 WH-1000XM5
タイプ オーバーイヤー密閉型
ドライバー 30mm
重量 約250g
バッテリー 最大30時間(NC ON)
充電 USB Type-C(3分充電で3時間再生)
対応コーデック SBC / AAC / LDAC
ノイズキャンセリング 対応(自動最適化)
マルチポイント 2台同時接続対応
価格帯 約45,000〜50,000円

良かった点

  • ノイズキャンセリングの効きが非常に強力で、カフェや電車内でもほぼ無音になる
  • 長時間着けていても耳が痛くなりにくい軽量設計
  • マルチポイント接続でPCとスマホを同時に繋げるのが便利
  • マイク性能が高く、リモート会議でも相手に声がクリアに届く

気になった点

  • 前モデルXM4と比べて折りたたみができなくなり、持ち運び時にかさばる
  • 低音の迫力は控えめで、重低音好きには物足りない可能性がある

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